水害や土砂災害を防ぐために、古くから一般的に広く普及している「土のう(土嚢)」や、その代替手段としての「水のう(水嚢)」。
今回のコラムでは、イザというときの浸水対策としての「土のう(土嚢)」や「水のう(水嚢)」を用いるメリット・デメリットを改めて分かりやすく解説していきます。
止水板
「土のう(土嚢)」「水のう(水嚢)」-浸水対策のメリット・デメリット①
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目次
「土のう(土嚢)」とは?

「土のう」とは、土砂を詰めた布製の袋のことで、それを積み上げることで、水や土砂などの流入を遮蔽するために用いられます。
用途としては、水害時の応急対策、土木工事全般などに用いられるほか、戦時には、銃弾や砲弾を防ぐため、そして、現在では、不発弾など爆発物の処理の際にも用いられます。
その歴史は古く、日本では、縄文時代終わり頃から古墳時代初め頃の遺跡である本高弓ノ木遺跡(鳥取市)で国内最古と言われる「土のう」が発見されています。
この遺跡では、古墳時代前期(約1600年前)の池状のくぼみ内に構築されていた木製構造物に、編物のようなものにくるまれた粘土が整然と積み上げられていました。
現在と同じく、(水害対策…⁉)水を止めるために用いられていたものと考えられています。
<参考>本高弓ノ木遺跡 発掘調査速報展(外部サイト)
なお、かつては稲わらで作られた叺(かます)や麻袋を用いるのが一般的でしたが、現在では、ポリエチレン製の袋が主に用いられています。
浸水対策に土のうを用いるメリット・デメリット
台風や豪雨災害時などの浸水対策として、古くから用いられてきた手法ということもあり、「土のう」には、簡便性・汎用性などのメリットがある一方、いくつかのデメリットも考えられます。
メリット① – 入手・事前準備 –
土のうは、土と袋さえあれば作ることが出来るため、容易に準備が可能です。
土のうを作るために用いる袋も、ホームセンターや通販サイトなどで容易に入手できるほか、自然災害に備えるため、地方自治体によっては、市民や立地企業に無料で配っている場合もあります。
メリット② – 対策に必要な費用 –
もう一つの大きなメリットは、準備にかかる費用が安価に済むことです。
土のう袋は、枚数・容量・強度などにもよりますが、最安、数百円レベルからの購入も可能です。また、前述のように、地方自治体などから無料で入手できる場合もあります。
また、中に詰める土砂自体は、ほとんどの場合無料で準備が可能です。
一方のデメリットとしては…
デメリット① – 設置の時間・手間・大変さ –
土のうを使用するには、当然、一つ一つの袋に土砂を詰める作業が発生します。
シャベルなどを使って、袋に土を詰めて、それを縛って積む作業は、慣れていない人間には以外と手間取ります。
近年、多発する集中豪雨災害では、急激な浸水が進むこともたびたびで、時間との勝負になる可能性も、大きなデメリットの一つと言えるでしょう。
もう一つ、(袋の容量にもよりますが…)一般的に、土を詰めた袋の重さは“20Kg前後”にもなり、それを運ぶ作業はかなりの重労働です。
特に、体力のない高齢者や女性などしかいない場合などは、予め考慮しておくべき事項と言えるでしょう。
デメリット② – 実際に浸水を防ぐ効果 –
水は、少しのスキマがあれば、どこからでも侵入します。
そのため、もともと、ピッタリとスキマを防ぐように作られていない「土のう」の浸水を防ぐ性能(止水性能)は、それほど高くありません。
また、浸水を防ぐ効果的な積み上げ方も、講習などを受けて、ある程度学んでおいた方が良いことも、事前に考慮しておくべき事項の一つです。
「水のう(水嚢)」とは?

「水のう」は、ポリ袋などに水を注入して使用する袋のことです。
基本的な使用方法は、「土のう」と同じになりますが、「水のう」ならではのメリットやデメリット、そして少し違う使用方法もありますので、土のうとの違いを中心に解説していきます。
「土のう」と比較した「水のう」のメリット・デメリット
土のうと比較したメリット① – 設置の手間を軽減 –
袋の中に水を入れることで準備ができるため、土のうのように土砂を運搬したり、スコップなどで袋に一つ一つ詰める作業が不要になります。
土のうと比較したメリット② – 後片付けが楽 –
土のうの章では、触れませんでしたが…土のうの大きなデメリットは、実は、後片付けにあります。
土のうの後片付けは、水を大量に含んでいる分、設置よりもさらに重労働になります。
他にも、設置後の状況次第では、汚れた泥をきれいに片付ける作業なども追加で必要となってくるでしょう。
この点、水のうの場合は、中の水を流すだけで済みますので、後片付け作業が大きく軽減されます。
また、乾かすことで、再利用可能な商品なども発売されています。
では、逆にデメリットとなるのは…
土のうと比較したデメリット① – 止水できる高さと性能 –
一般的に、土は、水より比重が重いため、土のうは水に浮きづらい特性がありますが、水のうはそうではありません。
特に、水位が高くなった際には、浮いてしまう恐れもあるため、自重を適切に利かすためには、高く(多く)の水のうを積み上げておく必要に迫られる場合もあります。
そのため、水のうの使用には、浸水想定を考慮しつつ、適正な使用場所か?積み上げ高さは大丈夫か?などの判断に注意が必要です。
土のうと比較したデメリット② – 漏れやすさ –
場合によっては、ゴミ袋などでも代用できる水のうですが、水は、小さな穴からも漏れだしていきます。
当然のことながら、袋の強度にキチンと留意しておくことは最低限必要ですし、できるだけ強度が確保された“専用の袋”を使用することをお勧めしています。
今回のコラムは以上です。
次回は、今回の続きとして「止水シート」「止水板」のメリット・デメリットについて分かりやすく解説していきたいと思います。
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