後付け可能で、どちらも軽量で取扱いやすい『アルミ製』と『樹脂製』の止水板。
止水板を取り扱う当社でもドッチを選んだらいいの?というご質問をいただくことがよくあります。
そこで、今回のコラムでは、浸水対策のプロが、それぞれの代表的な製品の仕様や性能、特徴などを徹底的に解析し、皆さまのニーズや利用シーンごとに、適切な止水板選びのヒントをお届けいたします。
止水板

後付け可能で、どちらも軽量で取扱いやすい『アルミ製』と『樹脂製』の止水板。
止水板を取り扱う当社でもドッチを選んだらいいの?というご質問をいただくことがよくあります。
そこで、今回のコラムでは、浸水対策のプロが、それぞれの代表的な製品の仕様や性能、特徴などを徹底的に解析し、皆さまのニーズや利用シーンごとに、適切な止水板選びのヒントをお届けいたします。
目次
まず最初に、当社『アルミ製 止水板』といくつかの代表的な『樹脂製 止水板』について、基本的な仕様・性能、設置その他の特徴をまとめてみましたので、次の表をご覧ください。
| アルミ製 止水板 * | 樹脂製 止水板 * | |
| 本体素材 | アルミニウム | ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂 など |
| 本体サイズ | [1枚あたり] 幅 :600mm~4,000mm 高さ:350mm~1,000mm 奥行:30mm~40mm |
[1枚あたり] 幅 :700mm~1,000mm程度 高さ:250mm~1,100mm程度 奥行:200mm~1,200mm程度 ※ 製品による |
| 本体重さ | [1枚あたり] 5kg~7kg ※ W600mm×H500mmの場合 |
[1枚あたり] 1.5kg~15.5kg程度 ※ 製品による |
| 止水性能 | [JIS 漏水量による等級] Ws-5またはWs-6相当 |
(公開情報では、JISその他の規格に準拠した公表値は確認できず) |
| 止水幅への 対応 |
・幅の広いパネルを用いる ・中間に支柱を立てパネルを横に連ねる |
パネル連結方式 |
| 止水できる 高さ |
最大:3,000mm | 最大:1,000mm程度 ※ 製品による |
| 開口部への 設置方式 |
・マグネット ・サイド支柱 による固定 |
・シーリング材の挿入 ・サイド専用パーツの使用 など |
| 設置工事 | 要 (概ね即日完了する簡易施工) |
不要 |
| 製造スタイル | カスタムメイド (開口部等に合わせた個別製造) |
規格品・既製品 |
| 価格帯 | 要問い合わせ | [1枚あたり] 数万円程度~ |
* 表の作成にあたっては、次の製品の公開情報等を用いています。
【アルミ製 止水板】 KTXの止水板『スーパー止水番2』
【樹脂製 止水板】 当社調べによる代表的な樹脂製品(複数製品)
素材の違いから『樹脂製』『アルミ製』止水板の違いとして、よくイメージされている【軽さ】に関しては、確かに、一般的に『樹脂製』の方が軽くなっています。
ただし、1枚あたりではなく、止水できる単位面積あたりで考えると、『樹脂製』の方がやや軽い場合が多いものの。。。皆さまが思っているイメージほどの違いはありません。
参考に、開口部1,900mm幅の当社エントランスを想定し、止水高500mmの製品で試算した場合は、次のとおりです。
| アルミ製 止水板 | 樹脂製 止水板* | |
| 1枚あたりの 重さ |
約14kg/枚 | 4kg~6kg/枚程度 |
| トータルの 重さ |
約14kg (1枚で対応可) |
12kg~18kg程度* (概ね3枚分必要) |
* 【樹脂製 止水板】 止水性能をある程度担保できそうな代表的な製品を想定
* 本体重さのみで比較。製品によっては、サイド専用パーツなどの重さが加算される場合があります。
このように、止水したい開口部の幅次第で、『樹脂製』は間口ピッタリとなる製品ではないため、製品によって総重量が逆転するようなこともあり得ます。
そして、単に【重さ(軽さ)】のみで、これらの2つの製品を比較すること自体、製品本来の持つ目的からは、あまり意味のあることではありません。
そこで、当コラムでは、浸水対策を行うために重要な点に加えて、よくいただく質問内容なども踏まえて、次のようなポイントで、『アルミ製』『樹脂製』止水板を比較してみることにいたします。
防災製品である以上、災害から人命や大事な資産を守ることが、最も優先すべきポイントです。
そして、大雨や豪雨などの際に、浸水を防ぐという意味で最も重要な意味を持つのが【止水性能】。
この点、『アルミ製品』の場合は、JIS(日本産業規格)の浸水防止性能基準や試験方法が規定された「JIS A 4716」における等級(相当)を明記している製品*が数多く見受けられます。
* 例えば、当社の「スーパー止水番2」は、最高等級であるWs-6、またはWs-5相当(第三機関認証)です。
一方で、『樹脂製品』では、JIS規格に準拠した試験を行っている旨の説明がされた製品は見受けられるものの、具体的なJIS規格の等級(相当)や、その他何らかの規格に準拠した等級・数値等を公表している製品は、当社で調べた限り見つけられませんでした。
規格に準拠しているからと言って、100%安全という保障はありませんが。。。信頼・安心できる製品として、選択の基準となる大きなポイントです。
最近の気象状況では、線状降水帯の発生・ゲリラ豪雨などにより、短時間、一気の増水が日本全国を襲う時代になっています。
そこで重要となるのが【設置の手間(設置までの時間)】。
間口(開口部)に合わせて製造することが基本の『アルミ製品』の場合、ビル・マンションの入り口程度の幅であれば、多くは止水板1枚の設置で事足ります。
そして、サイドの枠にはめ込んで、ハンドルやレバーを回す程度で簡単に設置できる製品がほとんど*です。
* さらに、当社特許登録のマグネットタイプなら、簡単ワンタッチでの設置も可能です。
一方で、『樹脂製品』の場合に、1枚のみで足りる間口はあまりないと思います。
そのため、一般的には、「止水板 何枚かを連結する」もしくは「サイド専用のパーツを取り付ける」などの作業が発生することになります。
もちろん、土を詰める土嚢に比べれば、格段に楽で早く準備できますが。。。それなりの手間や時間が必要となることを、最低限、頭の片隅に入れておかなければなりません。
* ちなみに、当社で、とある樹脂製品の設置を試したところ、意外と手順に戸惑うことや、思った以上に力が必要な箇所もあり、迷わず手早く連結&設置するには、ある程度、事前の習熟が必要と感じさせるものになっていました。
なお、浸水被害が予測できる場面での設置は、両製品とも、できる限り事前の設置対応を推奨しておりますので、この点は、予め補足させていただきます。
続いては、皆さますべてに当てはまる事柄ではありませんが。。。立地などによっては、予め念頭に入れておくべきポイントとして【止水できる高さ】です。
『アルミ製品』では、(支柱などを用いて)止水パネルを何段か積むことが可能な製品が一般的です。
そのため、止水できる高さに関して、1m以上に対応できる製品*もよく見受けられます。
* 当社製品の場合、最高で6段積み、止水高3mまでの実績があります。(シミュレーション解析を行った上での設置)
一方、『樹脂製品』の場合は、ほぼ「製品の高さ≒止水できる高さ」となり、当社で調べた限り、止水高1mとなっている製品が最も高いものでした。
デザイン性・意匠性を重視したエントランスなど設置環境への配慮が、特に重視される現場でポイントとなる【施工の要否】。
そして、この点は、そもそも製品を導入できるのか?導入時の負荷がどのくらいになるのか?といった論点でもあります。
既製品である『樹脂製品』は、「購入≒即導入完了」となり、施工は必要ありません。
そして当然のことながら、止水板を設置していない時に、現場の見た目を阻害するような要因は全く発生しません。
一方で、『アルミ製品』の場合は、「設置工事が完全に不要」という製品は、ほぼありません。
従って、施工が一切不可という間口では導入が困難*です。
* ただし、現場環境次第で対応可能な間口もありますので、具体的にはメーカー等にお問い合わせください。
また、一般的には、間口の両サイドに(場合によっては中間にも)支柱などの設置が必要*なため、多少なりともデザイン性・意匠性を阻害する要因が発生することになります。
* なお、中間の支柱は、取り外し可能なもので対応する製品が一般的です。
* また、当社のマグネットタイプの場合、目立ちにくい磁性板の取り付けで対応可能です。イメージは、こちらの設置事例などを参照ください。
ただし、この【施工の要否】、次項の【納期】は、「当該製品で必要な浸水対策ができる」ということが前提となりますので、その点、くれぐれもご留意ください。
前項の【施工の要否】にも関連するポイントです。
加えて、お客様のニーズが『現実的な危機』が目前に迫って初めて顕在化することもありがちな製品のため、重視されることも多い【納期】。
『樹脂製品』は、前項のとおり「購入≒即導入完了」です。
在庫さえあれば、2~3日で製品が届くことは珍しくありません。
一方、個別の間口に合わせて製造することが基本の『アルミ製品』は、どうしても一定期間の納期*が発生します。
残念ながら。。。本当に「今すぐ設置したい!」というニーズには対応が難しく、最低限、数週間以上の納期がかかる製品がほとんどだと思われます。
* 当社「スーパー止水番2」の場合、通常1ヵ月程度~の納期をいただいています。(繁忙期など除く)
とは言え、止水板(。。。に限らず「防災・減災製品」全般に言えることですが)を、慌てて導入することは、お勧めできることではありません。
毎年、大雨・豪雨シーズンは一定の周期でやってきますので、ぜひ、その前に備えることを心がけて、検討や準備を進めてください。
《参考コラム》大雨・豪雨災害、いつから備えるべき? – 降水量などのデータから確認してみよう –
最後に、製品を比較検討する以上、避けられない【価格】について補足しておきます。
価格に関しては、同じ『樹脂製品』『アルミ製品』の間でも、かなりバラツキがありますが、概して言えば『樹脂製品』の方が安価に導入できる傾向にあります。
ただし、注意すべきは、1枚あたりの比較ではなく、止水できる単位面積あたりで比較する必要があるということです。
と同時に、検討中の現場のニーズに応じた費用対効果をキチンと考慮して、製品の選定を行うべきということを付け加えておきます。
では、具体的に『樹脂製 止水板』『アルミ製 止水板』をおススメできる場面とは?
当コラムの最後に、それぞれの選定ポイントのおさらいを兼ねながら、この点をまとめておきたいと思います。
まずは『樹脂製品』。
『樹脂製品』は、次のことを前提に。。。
| 前提 | ・建屋内に重要(高価)な資産が少ない ・建屋内でも別途対策を行っている など 多少の浸水を許容でき、水の流れを逃せる環境にあること |
|---|
具体的には、次のようなニーズに合致する場面でおススメできるものと、当社では考えています。
一方の『アルミ製品』。
こちらは、次のような現場(場面)などにピッタリな製品です。
なお、当社では、止水板の止水実験映像など、浸水対策の検討を行うために参考となる情報も保有しております。
もう少し詳しい情報を聞きたい!具体的な相談をしたい!などの場合はお気軽にお問い合わせください。
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