2025 年 9 月 11 日、関東南部を中心に天気が急変し、激しい雷雨に見舞われました。一部地域では記録的な大雨となり、大規模な冠水や交通機関への乱れなど、広範囲に大きな影響が発生しました。
オフィスが立地するエリアでも、 1 時間で 100mm を超える大雨を記録し、近くの川が氾濫する事態となりました。

浸水被害の内容
約30㎝の浸水により1週間ほど業務停止に
2025年9月の浸水被害について教えてください。
排水が追い付かず 30㎝くらいの水が溜まったんだと思います。
雨が止んだ後はすぐに水が引いたので、本社家屋には被害がなかったですが、すぐ隣の(関連会社が入居する)別棟は浸水してしまいました。
水が入ってくるまでは、どのくらいの時間でしたか?体感でも構いません。
関連会社の者に聞くと水が上がり始めたら本当に早くて、どうすることもできなかったようです。あっという間に30cmほどまで水位が上がったと。
建物は鉄骨造で、壁の基礎(コンクリート部分)が約30cmの高さまであります。
ただ、その基礎を超えてしまうと構造上どうしても水が隙間から入り込んでしまう状態でした。
さらに、目の前の道路を車が通り抜けるたびに、バシャンバシャンと波が押し寄せるので、一気に浸水してしまったそうです。

復旧作業の進め方や買い換えたものを教えてください。
水が30cmくらい溜まってしまい、カーペットがすべて水を吸ってしまっていました。
当時は片付けなどの作業に追われ、保険の手配すらなかなか進まない状況で、結局1週間ほどは仕事ができなかったようで、しばらく社内の雰囲気まで湿っぽく、沈んでしまっていたそうです。
その後は、関係会社の方で、カーペット等を乾かしつつ、できる範囲で少しずつ作業を進めていきました。
最終的に、床の全面張り替えをはじめ、冷蔵庫やキッチンの流し台などを買い換えることになりました。
これらは保険である程度カバーできましたが、やはり何より大変だったのは、この間、ほとんど通常業務に手を付けられなかったことです。
試行錯誤
土のう対策の大変さ
被災された後、次の雨への備えとして、何か応急的な対策は検討されましたか?
浸水被害後に、まずは給水式の簡易土のうで対策をしようと考え、まずは1つ試しに使って実験をしてみました。
今だと乾かすと小さくなる商品もあるみたいだけど、試したものが1回使ったら膨らんだままで、重さもあるしで捨てないといけなかったんです。
雨が降るたびに、土のうを準備するのは重たくて重労働になるため、何かいい方法がないかを考えました。
なぜ、そこでアルミ製の止水板で対策しようと思ったのですか?
土のうは重くて設置が大変ですし、使い捨てでスマートじゃないと感じていました。
また、止水板を検討するのであれば、水圧には金属製じゃないとダメだという考えがあり、ネットで調べていたところ一番最初に出てきたのがKTXさんでした。
カタログやWebサイトにも、アルミ製で軽くて強度があると記載がありいいなと思い、検討を進めました。
導入の検討
検討促進のきっかけは助成金制度の存在
もともと止水板の存在は知っていましたか?
知っていました。建設会社なので、川の近くの現場やマンションに設置したこともあります。
ですから、「自分たちで何とでもできるだろう」と思って、当初は止水板を自作しちゃおうと考えていたんです(笑)
ですが、止水板の導入に、区から助成金が出ることを知り、助成金を申請するとなるとJIS規格に準拠した性能証明が必要になります。自作でそれを証明するハードルの高さを考えたとき、申請が通る確かな製品を選ぶのが良いだろうと思い直しました。
JIS規格「JIS A 4716」とは
2019年11月に制定された、「漏水量に基づく等級」が定められた規格です。以前は、浸水防止設備の性能基準が団体ごとに異なっていましたが、JIS規格の制定により、ユーザーが統一基準で製品を比較・選定できるようになりました。
止水板をご注文いただくまで少しお時間が空きましたが、その間に「検討のハードル」や「導入を決断された決定打」があれば教えてください。
被害に遭ってから次の雨の季節まで1年間は猶予があるので、対策の実施を先延ばししていました。
そうした中で、先ほどお話しをしたとおり、助成金のことを知ったのをきっかけに、すぐに動きだしました。
6割ほど助成が出るとのことでしたが、昨年(2025年9月)のこともあり最悪は助成がなくても依頼しようとしていました。
止水板の導入助成金について
止水板の導入助成金(助成制度)は、各自治体(市区町村)によって実施の有無や、助成割合・上限額などの条件が大きく異なります。導入を検討される際は、まずはお住まいの地域の自治体窓口へお問い合せください。
当社KTXの止水板にした最終的な決め手を教えてください。
素早い手配を行ってくれたことがポイントです。
資料ダウンロードの後にすぐに電話がきたり、短時間で現地調査・見積もり提出をしてくれたりと助成金関連で年度末までの期日に間に合うように手配してくれました。
また、現地調査の時に営業の方から、大手自動車メーカーの高級車種にも採用されている自動車内装用金型を製造しているというお話があり、ものづくりへの社会的信頼性の高さも決め手になりました。

導入後のご感想
気候変動の時代、浸水対策は“先行投資”
導入されてから設置されたことはありますか?
試しに設置したことはあります。誰でも簡単につけられる部分がよかったです。
でも、止水板設置中の文字が書いてある方が外側(水が来る側)になるよう、表裏を間違えないように設置しないといけないですよね(笑)
社内での保管方法や周知はどのようにされていますか?
小さいサイズの止水板は部屋の片隅に立てかけています。一番大きいサイズの止水板(約2m)は、倉庫にしまっています。倉庫から出すときだけ少し時間がかかってしまいますが、サイド支柱にはめて、ハンドルを締めるだけだから設置時間は1分もかからないです。

また、社内の関係者には、止水板の導入をしたことをキチンと周知しています。
今後は、年1回実施する避難訓練で、社員の方に実際に設置してもらおうと考えています。
導入後の心境の変化を教えてください。
多少、大雨が降っても大丈夫だと思うようになりました。安心感はありますよね。
最後に、浸水対策を検討している皆様・企業様へメッセージをお願いします!
やっぱり、被害に遭ってからでは遅いです。今は本当に気候変動が激しいので、事前に対策しないとですね。
当社の場合は100万円前後の被害で済みましたが、もし電子機器などが水没してしまうと丸ごと損害になってしまいますし…。また、当時は1週間ほど業務ができない状態になってしまいました。
お金はかかりますが、やはり、被害が出る前に先行して対策を検討していただく方が良いかと。当社の経験からも思います。

KTXからのコメント
この度は、被災時のリアルなご苦労や貴重なお話をお聞かせいただき、誠にありがとうございました。最近は助成金を利用される個人宅のお客様も多いため、建設会社様が助成金を活用して防災に取り組まれていることや、そして数ある止水板の中からKTXを選んでくださったことを発信していただけたのは、大変嬉しく光栄に思います。
ものづくりのプロであるお客様に、弊社の技術力やスピード感を褒めていただけたことは、本当に大きな励みになりました。いただいたお声をこれからのものづくりに活かし、これからも私ども一丸となって努めてまいります。