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2025年:記憶と記録に残る大規模災害

2025年:記憶と記録に残る大規模災害

早いもので、あと少しで今年 2025年ももう終わり。この1年を振り返るような季節になりました。
皆さまにとって、今年はどのような年でしたでしょうか?

1年の振り返りとして、防災・減災製品を開発する当社KTXがお届けするのは、今年も起こってしまった様々な災害についてです。

残念ながら、日本各地で、今年も記憶や記録に残る大規模災害が発生しています。
来年こそは、平穏無事な年になることを祈りつつ、イザという時の教訓として、このコラムをお届けしたいと思います。

目次

[2~4月]大船渡市山林火災

米国ロサンゼルスの住宅街を飲み込んだ大規模火災の熱も冷めぬうちに、日本でも発生した大規模な山火事として、記憶にとどめていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?

2月26日に大船渡市赤崎町地内で発生した火災は、周辺山林などに短期間かつ広範囲に延焼を拡大。4月7日に鎮火されるまで、1ヵ月以上の期間を要し、延べ約3,370haの範囲が延焼。死者1名のほか226棟の建物に被害を生じる大規模災害となりました。

結果として、平成以降では、国内最大規模の山林火災となっています

  • 延焼範囲 : 約3,370ha
  • 焼損棟数 : 住家90棟(うち全焼54棟)住家以外136棟(うち全焼121棟)
  • 死傷者数 : 死者1名

出火原因は、特定に至っておりませんが、総務省消防庁の火災原因調査報告書によると、延焼拡大の要因として、次のような事柄が挙げられています。

  • 林野内の可燃物が乾燥していたこと
    (長期的に降水が極めて少なかったこと/短期的に降水がほとんどなかったこと)
  • 火災の初期に激しい燃焼が発生したこと
  • 地形と局地風の影響

今年の1月~3月にかけては、他にも「岡山市」「今治市」「宮崎」などでも大規模な山火事が立て続けに発生しています。

これから空気も乾燥する季節。また、2025年も少雨傾向が続いたこともありますので、より一層、火の取り扱いには注意を払いたいものです。

[6月~]トカラ列島群発地震

6月21日から始まった、鹿児島県鹿児島郡十島村の小宝島または悪石島付近を震源域として発生している群発地震です。

この地震は、2週間を経過しても収束の気配を見せず、また、震度1以上の有感地震は2,000回を超えるなど、発生回数、活動期間の長さにおいて、過去に類を見ない規模の群発地震となりました。

  • 地震回数(震度1以上): 2,271回(8月12日16時時点)
  • 最大震度 : 震度6弱(7月3日)

幸い、人的被害はなかったものの、7月3日の地震を受けて、(希望者は)一時島外避難を余儀なくされるなど、住民生活などに大きな影響を及ぼす地震となりました。

地震活動は、7月20日頃から低下してきているものの、現在も続いており、地震調査委員会の評価報告によると、数カ月経過後に再度活発化した事例もあるとのことで、今なお注意が必要です。

地震大国日本では、いつどこで大地震に遭遇するか分かりません。2026年も事前の防災への備えが重要なことには変わりません。

[夏]全国での記録的猛暑

皆さんが“今年(2025年)”と聞いて、最も思い浮かべる気象災害は、コレと言って過言ではないかもしれません。

多くの地方で、過去最も早い梅雨明けとなった今年は、早くも6月後半から各地で猛暑日が観測されるとともに、少雨傾向も相まって、長期間にわたる記録的猛暑が全国各地を覆いました。

気象庁のレポートでも、「日本の夏の平均気温の基準値からの偏差は+2.36℃となり、統計を開始した1898年以降の夏として1位の高温となった。」と発表されています。

  • 国内最高気温 : 41.8℃(群馬県伊勢崎市)。観測史上最高
  • 猛暑日日数 : 年間62日(大分県日田市)。過去最多タイ記録
  • 猛暑日の積算地点数 : 9,385地点(6~8月)。歴代最多記録
  • 熱中症による救急搬送人員 : 100,510 人(5~9月)。調査開始以来最多

年々暑くなる夏に向けて、「職場の熱中症対策の義務化(2025年6月~)」など様々な対策も進められてはいますが、熱中症患者の増加などによる直接的な健康被害とともに、外出控えなどによる家計消費の変容など、様々な分野へと影響が広がっています。

2026年夏の予報は、当然まだ出ておりませんが、今年以上の猛暑になることも見据えての備えと行動計画が求められる時代となってきています。

[8月]九州地方などでの記録的大雨

今夏は、基本、少雨だったとは言え、ひとたび雨が降ると災害級の大雨となったのも、今年の気象の特徴でした。

実際に、8月6日~12日にかけては、日本付近に停滞した前線や前線上の低気圧の影響で、北日本から西日本の広い範囲で大気が非常に不安定な状況が続き、各地で大雨をもたらしました。

特に、九州地方では、線状降水帯が繰り返し発生し、鹿児島県では 8日未明から、24時間降水量が500ミリを超え、福岡県、熊本県では9日夜遅くから11日にかけて、24時間降水量が多い所で400ミリを超える記録的な大雨となりました。

  • 人的被害 : 49名(死者8名、行方不明者1名、負傷者40名)
  • 住宅被害 : 11,373棟(全壊39棟、半壊2,698棟、床上浸水1,168棟ほか)
    (九州地方以外の被害含む)

豪雨災害の頻発&激甚化の背景には、地球温暖化によって海水温が上昇し、大気中の水蒸気量が増加することで、短時間に激しい雨が発生しやすくなっていることが影響しています。*

* こちらのコラムも参照ください → 大雨は増えている?「極端な大雨」の傾向と対策

今の日本では、夏は猛暑とともに、“大雨への備え”も欠かすことのできない防災・減災対策の一つとなってきています。

[9月]東京都・神奈川県東部の記録的大雨

続いても、大雨による被害の話題です。

9月11日は、秋雨前線が活発化した影響で大気が不安定となり、東京都特別区や神奈川県東部で記録的な大雨が観測されました。

この大雨では、世田谷区で観測史上最大となる1時間に92mmの猛烈な雨が観測されたほか、目黒区では134mm、大田区では111mmなど各地で時間雨量100mmを超える雨が観測され、また、立会川の氾濫により品川区の一部では「緊急安全確保」も発令されました。

同時に、東京都周辺では突風による被害も発生しています。

  • 人的被害 : 97名(死者2名、負傷者95名)
  • 住宅被害 : 5,543棟(全壊77棟、半壊360棟、床上浸水1,627棟ほか)
    ( 9月3日からの一連の大雨被害含む)

大雨への備えは、夏になってからでは間に合わない場合も多くあります。
当社では、雨の少ない冬の時季にこそ、準備・対策を始めておくことお薦めしております。

[夏・秋中心に]東北を中心とする熊被害

最近では、ニュース報道で聞かない日がないぐらいに頻発し、異常事態となっている熊による人身被害です。
一般に思い浮かべる自然災害とはやや異なりますが、今後長く “2025年の災害と言えば” という質問の回答として記憶される事態かも知れません。

今年は、6月に長野県大町市で発生したクマによる死亡事故を皮切りに、秋にかけて秋田、岩手を中心に人身被害を伴う熊被害が多発しています。
10月末時点において既に、死傷者が197人に上り、過去最悪の人的被害が出た2023年度を上回るペースになっています。

  • 死傷者数 : 197名(うち死者数 12名)(4~10月)。過去最悪ペース
    ( 環境省 11月19日公表 速報値)
  • ツキノワグマの出没件数 : 20,792件(4~9月)。統計のある2009年度以降最多

特に、7月以降は市街地や住宅周辺、道路といった人の生活圏での人身被害が全体の7割以上に達していることが特徴となっています。
このため、出没情報の多い地域では、散歩・ウォーキング、通勤・通学などふだんの外出行動も変容を余儀なくされ、日常の生活にも多大な影響を及ぼしています。

  • 保護活動やハンターの減少によるクマの生息数そのものの増加
  • 高齢化や過疎化などにより、人とクマの緩衝帯であった里山の消失
  • クマの餌となるブナやミズナラの実(ドングリ)の凶作

などが、街中にもふつうに出没するようになった原因とも言われていますが。。。
近年は、温暖化などの気候変動によりドングリの豊作と凶作の間隔が短くなり、ドングリ全体の量が増えたため、クマの出産間隔が短くなり、クマが増えやすくなっている。という説もあります。

政府による「クマ被害対策パッケージ」でも、「緊急・短期・中期」の時間軸に分けて対策がとりまとめられているように、気候変動への対応とともに、野生動物との付き合い方も中長期で考えていかなければならない課題かもしれません。

[11月]大分市佐賀関の大規模火災

最後に取り上げるのは、11月18日に大分市佐賀関で発生した大規模火災です。

火災発生後、約1週間が経過したこのコラム執筆時点でも、まだ鎮火に至っておらず、被害の全容は明らかとなっていませんが、11月20日時点で、次のとおり発表されています。

  • 建物被害 : 約170棟
  • 焼失面積 : 約48,900㎡

焼損棟数約170棟ということになれば、2016年に新潟県糸魚川市で発生した大規模火災を上回り、ここ数十年では最大規模の市街地火災ということになります。

まずは、一刻も早い鎮火と、被災された方々の生活再建の目途ができるだけ早く立つことを祈るばかりですが、改めて「乾燥時」「強風時」の火災の恐ろしさをまざまざと思い知らされる事象となってしまいました。

今年は、人的被害を伴うような大地震は少なかったものの、例年のことになりつつある猛暑や大雨以外にも、大規模火災や熊被害の多発など思わぬ大規模災害が発生した年として、今後、記憶されることになるかもしれません。

当社アンケートでも、地震以外の災害へふだんから備えをしている方は3割未満に過ぎません。

今年2025年に起こった災害を教訓として、予期せぬ災害がいつでも起こりうる ことを前提に、各種災害への備えへを頭の片隅に入れていただきつつ、来年2026年こそは、災害の少ない平穏無事な年が訪れることをお祈りして、当コラムを終わりたいと思います。

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